English
 文教大学
 文学部
 英米語英米文学科

 准教授
 野村 忠央
 ノムラ タダオ
 NOMURA Tadao

その他の所属・職名
 言語文化研究科  准教授

研究概要


  筆者は学部・大学院時代から現在に至るまでの一貫したテーマとして、Mood, Modal, Modalityを追及してきた。特に筆者のこれまでの「仮定法研究」・「法助動詞研究」の成果としては、2005年に受理された博士論文の内容を改訂して2006年に出版した著書ModalP and Subjunctive Presentを挙げることができる。仮定法や法助動詞以外に追求したい他のテーマも少なからずあるので、今後はそれらのテーマと並行させてのことになるのは言うを俟たないが、やはり英語における「法」のシステム全体については継続して考えていきたいと思っている。
 言語学の研究において「文法と意味の間」の関係をどう扱うかは重要な課題である。例えば、生成文法において「統語論の自律性」という概念は基本的なテーゼであるが、「文法のモデル」を考える際には意味論的、歴史的、あるいは音韻論的な事実との整合性、傍証の追及もまた重要な作業である。例えば、筆者の携わってきた上述の研究テーマは意味論的な概念がその振る舞いに関わってくる。すなわち、心的態度にまつわる類似した概念としてMood(法)、 Modal(法助動詞)、Modality(法性)の三者が挙げられるが、これらを分析する際、「意味論的な共通点」と「統語論的な相違点」のどちらの研究態度も必要であろう。つまり、言語研究には統語論、意味論・語用論、音韻論などのアプローチは排他的ではなく、相補的に必要不可欠であると筆者は考えている。
 最近の生成文法の潮流である「極小主義プログラム(Minimalist Program)」では理論内の整合性に重きが置かれ、言語事実の抽出・記述を基いに文法モデルを立てるという形での「記述的妥当性」の追及が(「説明的妥当性との緊張関係」の名の下に)積極的に行われていない感が筆者には少なからずあるのだが(筆者のこの意見に異を唱える研究者は当然存在しよう)、2つの妥当性の達成は両者共に十全になされることが言語理論の発展に不可欠であろうと考えている。この点、筆者は「統語論」だけに固執せず、「英語語法文法研究」、「意味論・語用論」、「歴史的研究」など、努めて実証的な研究に携わってきた。それは抽象論に終始せず、実際の英語事実から理論を構築する英語学者でありたいからである。

プロフィール
 [自己紹介]
 生まれも育ちも北海道の道産子です。(ちなみに、道産子という言葉は馬だけではなく、北海道で生まれ育った人間のことも指します。)好きな食べ物はそば。どのお店でも基本的にざるそばを注文します。大河ドラマや『鬼平犯科帳』、『剣客商売』、『子連れ狼』など、最近は番組が減りましたが、時代劇を見るのが好きです。
 岩見沢という都市で生まれ、父が転勤族のため帯広、北見、札幌など北海道各地に住まいしました。北海道に一生住むつもりでしたが、札幌北高卒業後、学習院大学の英米文学科に進学、上京することになりました。元々は日本史を専攻するつもりで、学習院でも後から史学科に転科するつもりでした。それが結局、英米文学科に残り、現在まで英語で生業を立てることになったのですから、人生、不思議なものだと思います。卒業後、「英語の青山」として知られる青山学院大学の大学院に進学し、博士課程まで修了しました。
 いくつかの大学の専任を経て、文教大学に着任しましたが、北海道教育大学旭川校の英語教育専攻でも7年弱、英語学を教えていたので、教員養成課程が充実している文教大学は以前から親近感がありました。何かの縁だと思っています。

[専門分野・研究テーマ]
 専門は「英語学」と呼ばれる分野です。高校までの授業科目で言えば、「英文法」がその内容に近いものですが、もう少し正確に言うと、人間の言語に存在する(一見、見えない)「ことばのしくみや規則性」といったものを、「英語」という言語を通して探る研究分野のことです。個別テーマとしては仮定法(「もしぼくが鳥だったら、君のところに飛んで行くのになあ…」以外にも仮定法はたくさんあるんですよ)、法助動詞、不定詞などに関する研究を詳しくやっています。自分の言語研究のスタンスを一言で記せば、「言語研究には理論と経験事実の両方が不可欠である」ということになると思います。つまり、理論もデータもどちらも大事だということです。

学歴
 学習院大学  文学部  英米文学科  1996/03/31  卒業  日本
 青山学院大学大学院  文学研究科  英米文学専攻  博士前期  1998/03/25  修了  日本
 青山学院大学  文学研究科  英米文学専攻  博士後期  2005/03/26  修了  日本

経歴
 文教大学  文学部英米語英米文学科  准教授  2018/04/01-現在
 青山学院大学  文学部  非常勤講師  2017/04/01-現在
 明海大学  複言語・複文化教育センター  講師  2016/05/01-2018/03/31
 北海道教育大学  教育学部旭川校 教員養成課程 英語教育専攻  准教授  2010/02/01-2015/03/31
 北海道教育大学  教育学部旭川校 教員養成課程 英語教育専攻  非常勤講師(集中講義)  2009/10/01-2010/01/31
 学習院大学  文学部英語英米文化学科  非常勤講師  2009/04/01-2010/03/31
 和光大学  表現学部総合文化学科  准教授  2007/04/01-2010/01/31
 宮城学院女子大学  学芸学部英文学科  非常勤講師(連講)  2007/04/01-2008/03/31
 学習院大学  外国語研究教育センター  非常勤講師  2006/04/01-2010/03/31
 和光大学  表現学部文学科  専任講師  2003/04/01-2007/03/31
 青山学院大学  文学部  兼任講師  2002/04/01-2010/03/31
 法政大学  社会学部  兼任講師  2002/04/01-2003/03/31
 城北中・高等学校 英語科  非常勤講師  2000/04/01-2003/03/31
 保善高等学校 英語科  非常勤講師  1996/04/01-2000/03/31

学位
 学士(英米文学)  学習院大学  1996/03/31
 修士(文学)  青山学院大学  1996/03/25
 博士(文学)  青山学院大学  2005/03/26

研究分野
 英語学
 言語学

研究キーワード
 英語学
 統語論
 英語語法文法研究
 仮定法
 助動詞
 不定詞

競争的資金等の研究課題
 仮定法節と不定詞節の比較による定形性の研究  科学研究費  科学研究費補助金(基盤研究(C)) (課題番号 23520574)  2011/04-2014/03  基盤研究(C)一般
 英語の諸構文について  学内特定研究  平成22年度学長裁量経費(学術研究推進経費)新任教員研究支援経費  2011/04-2012/03
 ModalP and Subjunctive Present  科学研究費  平成17年度科学研究費補助金 研究成果公開促進費(課題番号175169)  2005/04-2006/03
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著書
 ModalP and Subjunctive Present (Hituzi Linguistics in English No. 3)  NOMURA Tadao  Hituzi Syobo  2006/03  4-89476-267-6  URL
 『[新版]英文法の総復習とワンクラス上の英作文』  野村 忠央・菅野 悟・野村 美由紀・外池 滋生  DTP出版  2017/04  英作文1, 2, 3, 4, 5, 6, 12, 英文法の校閲, 編集・全体の統一  978-4-86211-594-2  URL
 『[改訂新版]一度は読んでおきたい名文から学ぶ総合英語』  野村 忠央・永谷 万里雄・野村 美由紀・勝山 裕之・菅野 悟  DTP出版発行、朝日出版社発売  2017/04  1, 2, 3, 5, 11, 14, 15, 22, 30, 番外編1, 2, 3, 4, 5, 編集・全体の統一  978-4-255-15612-5  URL
 『〈不思議〉に満ちたことばの世界(上)』  高見 健一・行田 勇・大野 英樹編  開拓社  2017/03  「言語の古い形が残っているのは中心の地あるいは周辺の地?」(pp. 94-98)  978-4758922388  URL
 『統語論キーターム事典』  シルヴィア・ルラギ、クラウディア・パロディ著、外池 滋生監訳  開拓社  2016/09  978-4-7589-2226-5  URL
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論文
 「本当に2種類のtoが存在するのか?―制御タイプのtoと繰り上げタイプのto」  野村 忠央  渋谷 和郎・野村 忠央・土居 峻編『英語と文学、教育の視座』(DTP出版)  251-264  2015/12  URL
 【書評】「千葉 修司著『英語の仮定法-仮定法現在を中心に』開拓社 2013年 ix+305 pp.」  野村 忠央  『英文學研究』(日本英文学会)  92巻, 200-206  2015/12  00393649  URL
 【報告書】「仮定法節と不定詞節の比較による定形性の研究」  野村 忠央・菅野 悟  『科学研究費助成事業 研究成果報告書』(独立行政法人 日本学術振興会)  2015/06  URL
 「日本の英語学界―現状、課題、未来」  野村 忠央  『日本英語英文学』(日本英語英文学会)  23号, 55-85  2013/12  1348-2726  URL
 "Syntactic Finiteness of Subjunctive Clauses"  KANNO Satoru and Tadao NOMURA  『日本英語英文学』(日本英語英文学会)  22号, 67-91  2012/12  1348-2726  URL
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研究発表
 「英語教師が知っておきたいムードと言語変化の話」  講演  高知大学教育学部(英語教育コース)主催特別講演会  2018/03/10
 シンポジウム「身近だけど説明に困る言語現象-語法・文法・構文などなど-」テーマ「不定詞」コメンテーター  その他  日本英語英文学会第27回年次大会〈専門領域横断的シンポジウム〉「身近だけど説明に困る言語現象-語法・文法・構文などなど-」テーマ「不定詞」(企画者・講師:川﨑 修一、講師:佐藤 亮輔、関田 誠)  2018/03/03
 「言語の古い形が残っているのは中心の地あるいは周辺の地?」  研究発表  欧米言語文化学会第135回例会〈連続シンポジウム〉「学問的知見を英語教育に活かす」(コーディネーター:鴇﨑 敏彦・奥井 裕)講師(発題者11)  2017/12/03
 「ムードの話―仮定法を中心に―」  講演  宮城学院女子大学学芸学部英文学科主催講演会講師  2016/02/01
 「混乱の多い英文法の専門用語について」  研究発表  欧米言語文化学会第129回例会〈連続シンポジウム〉「学問的知見を英語教育に活かす」(コーディネーター:鴇﨑 敏彦・奥井 裕)講師(発題者5)  2014/12/07
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授業改善(FD参加等)
 FD参加  2018/04/07  FD・SDの現状と課題について
 FD参加  2018/04/03  高大接続改革の最新動向〜高大接続改革で教育はどう変わるのか〜
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社会活動
 「複合語の音声」「ことばの世界を探ろうーその楽しさ、奥深さ、そして、怖さを体験する」分担者  2017/07/29-2017/07/29  明海大学主催、独立行政法人日本学術振興会後援 「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」 (於:明海複言語・複文化教育コモンズ(MPPEC))
 上川教育研修センター研修会授業講評(指導・助言)講師  2013/08/29-2013/08/29  上川教育研修センター (於:旭川市立啓北中学校、旭川市立春光小学校)
 北海道教育大学旭川校 学習支援ボランティア団体「ゆずりは」顧問  2011/07-2014/03  北海道教育大学旭川校の有志の学生を中心として、旭川市内の小・中学生及び高校生に無償で学習支援を行うべく設立された団体。2012年に「あさひかわ新聞」、2014年に「北海道新聞」から「ゆずりは」が取材、記事が掲載。(於:旭川市北星地区センター)
 教員免許状更新講習 選択領域 外国語(英語)講師  2010/08-2014/08  北海道地区6国立大学法人教員免許状更新講習実施事務センター (於:北海道教育大学旭川校会場、北見工業大学会場)
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所属学協会
 英語語法文法学会  1999/07-現在
 日本言語学会  1999/08-現在
 TACL(東京地区言語学研究会)  1999/09-現在
 日本英語学会  1999/11-現在
 近代英語協会  2000/05-現在
 日本英文学会  2003/05-現在
 日本語文法学会  2003/11-現在
 日本英語英文学会  2005/03-現在
 欧米言語文化学会  2010/01-現在
 日本英文学会北海道支部  2010/04-現在
 HTLS(北海道理論言語学研究会)  2011/10-現在
 日本英文学会関東支部  2016/04-現在

委員歴
 文教大学  キャンパス教育実習委員会委員・文学部教育実習委員会委員  2018/04-現在
 文教大学  越谷情報センター運営委員会委員  2018/04-現在
 文教大学大学院  言語文化研究科入試委員会委員  2018/04-現在
 明海大学  複言語・複文化教育センター紀要編集委員長  2017/05-2018/03
 近代英語協会  編集委員  2017/04-現在
 明海大学  複言語・複文化教育センター ファカルティ・ディベロップメント委員  2017/04-2018/03
 日本英語英文学会  常任理事  2015/04-現在
 欧米言語文化学会  副編集長  2015/01-現在
 日本英語学会  評議員  2014/04-現在
 日本英語英文学会  副会長  2014/04-現在
 日本英語英文学会  北海道支部開催校委員  2013-2013
 日本英語英文学会  編集委員長  2013/04-2017/03
 北海道教育大学旭川校  教員免許状更新講習運営委員会委員  2013/04-2015/03
 北海道教育大学大学院旭川校  英語教育専修専修代表  2013/04-2015/03
 北海道教育大学旭川校  英語教育専攻専攻代表  2013/04-2015/03
 北海道理論言語学研究会  代表幹事  2013/04-2015/03
 日本英語英文学会  北海道支部支部長  2013/04-2015/03
 北海道教育大学旭川校  施設等改修部会委員  2013/04-2015/03
 北海道理論言語学研究会  開催校委員  2011-2011
 学習院大学英文学会  外部査読委員  2011-2011
 北海道教育大学旭川校  カリキュラム委員会委員  2011/04-2013/03
 日本英文学会  北海道支部運営委員  2011/03-2013/02
 日本英文学会  北海道支部編集委員  2011/03-2013/02
 欧米言語文化学会  編集委員  2011/01-現在
 欧米言語文化学会  外部査読委員  2010-2010
 北海道教育大学  カリキュラム開発チーム 教育コーディネーター旭川校 英語教育専攻代表  2010/04-2012/03
 北海道教育大学旭川校  就職対策委員会委員  2010/04-2011/03
 和光大学  総合文化学科・文学科教学会議委員  2009/04-2010/01
 和光大学  資格課程会議委員(英語科教育法担当)  2009/04-2009/09
 日本英語英文学会  開催校委員  2008-2008
 日本英語英文学会  関東支部副支部長  2008/04-2013/03
 和光大学  表現学部教授会幹事  2008/04-2010/01
 和光大学  総合文化学科学科予算  2008/04-2009/03
 和光大学  資格課程委員会委員(表現学部代表)  2008/04-2009/03
 和光大学  資格課程委員会教職課程分科会委員(英語科教育法担当)  2008/04-2009/03
 株式会社研究社『英語青年』  外部査読者  2007-2007
 日本言語学会  外部査読委員  2007-2007
 日本英語英文学会  理事  2007/04-2015/03
 日本英語英文学会  編集副委員長  2007/04-2013/03
 和光大学  連合教授会議長  2007/04-2009/03
 和光大学  建設総合計画推進会議委員  2007/04-2008/03
 日本英語英文学会  開催校委員  2006-2006
 日本英語英文学会  編集委員  2006/04-現在
 和光大学  文学科教務委員  2006/04-2009/03
 和光大学  表現学部再編1・2年次教育作業部会委員  2006/01-2006/03
 日本英語学会  理事会書記・編集委員会書記  2005/09-2007/03
 和光大学  文学科AO入試委員  2005/04-2006/03
 和光大学  文学科進路指導委員  2005/04-2006/03
 和光大学  表現学部改編作業部会文学科代表(2005年3月-6月、2005年9月-2006年1月)  2005/03-2006/01
 和光大学  文学科英語コースカリキュラム委員  2004/04-2010/01
 和光大学  文学科情報センター委員  2004/04-2005/03
 和光大学  表現学部検討会議委員  2004/04-2005/03
 和光大学  文学科図書館委員(2005年度表現学部代表)  2003/04-2007/03
 和光大学  文学科入試校正委員  2003/04-2006/03

教員からのメッセージ
  大学という場は何事も「知的好奇心」を持って臨むことが肝要です。つまり、いつも受身の姿勢で臨むのではなく、自分から疑問点やテーマを設定し、その答を自分で探り出そうとする、そういう積極性が必要とされる場所だと思います。
 そして、学業、アルバイト、サークル活動、何にせよ、自分で「目的意識」を持って大学生活を過ごすこと。それが充実した大学生活に結び付きます。頑張って下さい。