マユズミ ヨウコ MAYUZUMI Yoko
黛 陽子
所属 文教大学 国際学部 国際観光学科
職種 准教授
発表年月日 2023/10/09
発表テーマ ⺠族観光における伝統芸能の担い手の意識調査― バリ舞踊を対象とした観光公演に利用される宗教儀礼の持続可能性について
会議名 日本地域学会 第60回(2023年)年次大会
主催者 日本地域学会
開催地名 名古屋大学
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 単独
開催期間 2023/10/08 ~ 2023/10/09
概要 本研究では、観光舞踊の存在が、バリ・ヒンドゥー教徒のプロダンサーの視点において、神聖な伝統の存続と観光客への娯楽としての区別があるのかどうか、また、先行研究にあるような「儀式と劇的な演技の間に明確な線引きはなく、パフォーマンスはそれ自体が神々への供物」として考えているのか、またはその様な考え方は、既に古い考え方になってしまっているのか、を知ることを目的とする。そこで、本研究の仮説は、「民族観光における観光舞踊の存在は、生活慣習の伝統かつ宗教的意味を持つ神聖なバリ舞踊の継承に悪影響を及ぼす」と設定した。単純分析、グループ間の平均値の差、因子分析、回帰分析を行った。これらの分析の結果、「伝統を維持する意識は高く、伝統は壊されてはいないが、バリ島の人々の精神が舞踊に反映されているとは思わず、観光ニーズに合わせているのが現状である」と捉えられた。仮説の「観光舞踊が神聖なバリ舞踊の継承に悪影響を及ぼしているかどうか」については、悪影響を及ぼしてはいないので、仮説は検証されなかった。しかしながらニーズに従って継続している、という点においては、先行研究にある「バリ島民は舞踊のコンテンツの点で神と俗の領域を区別し続ける可能性が高い」と主張した、P.F.McKean (1973)の考察を支持する結果を得た。